生活習慣の改善、食物繊維の多い食生活とこまめな水分補給、運動、ストレス解消に努めれば、たいていは改善します。しかし、これらのことを行ってもどうしてもよくならないときは、便秘薬を使う場合もあります。
便秘薬を使うときは「作用の弱い薬から始める」のが基本です。腸の働きを整える整腸剤や、便を柔らかくする膨張性下剤を少量から始めましょう。ステップ1.2であれば、市販薬でも可能です。
また、妊娠している人は市販の便秘薬の使用を避けてください。中には刺激の強いものもあり、子宮を収縮させる恐れがあります。妊娠中、便秘になったら主治医に相談してください。市販薬を1〜2週間服用しても効果がない場合は、他の病気が隠れていることもあるので医師に相談しましょう。
●漢方のメリット
●漢方薬の種類
以下の漢方薬は便秘に効きますが、その他の症状によって使うものが変わります。漢方の知識のある医師の診断をうけた上で自分にあった薬を処方してもらうのがベストです。また、市販のものを買う場合には薬剤師に相談しましょう。
【大黄を含む代表的な漢方】
【大黄を含まない漢方】
漢方薬は副作用のない薬だと考えている人がいますが、薬である以上、ある程度の副作用はあります。体質に合わない薬を飲むと副作用が出ることがあるので、慎重に選ぶことが重要です。また漢方薬が弱いと誤解している方もいますが、刺激成分である大黄を含むものもあります。飲み過ぎないようにすることも必要です。大黄、アロエ、センナを含む下剤を長期に内服すると大腸粘膜に色素が沈着し、大腸が黒くなります(大腸メラノーシス)。
セルフケアでは治せない場合もあります。いろいろ試しても改善しない場合は、一度医師に相談し、適切な指導を受けましょう。
また、排便してもスッキリせず、腹痛、嘔吐、発熱がある、体重が減る、便に血が混じるといった症状がある場合には、別の病気が原因で便秘になっていることが考えられます。なるべく早く受診し、適切な治療を受けてください。