便秘はタイプによって対処法に違いがあります。つまり、自分の便秘がどのタイプかを知っておくことが、スムーズな排便につながります。
症状から分類した慢性便秘についてご説明します。
●排便回数減少型
大腸の動きは正常であっても食物繊維不足、運動不足などによって排便回数が減ります。これが最も多いです。また抗精神薬、咳止めなどのお薬が原因となって大腸の動きが悪くなって排便回数が減ることもあります。
●排便困難型
便が硬くて、いきんでも出せない状態をいいます。このタイプも食物繊維不足で便が硬くなりますが、便意をがまんし続けると便が硬くなります。また便意を無視し続けると、「排便したい」というサインが脳に伝わりにくくなります。それによって腸内に便が溜まっていることを脳が自覚できず、排便できないという状態になります。
特殊なケースとして、いきんでも肛門が開かないと感じる骨盤底筋の運動障害があります。
排便回数減少型と排便困難型の混合タイプもあります。
●症候性便秘
慢性便秘だけでなく、何かしらの病気が原因で起こるタイプの便秘があります。これを症候性便秘といいます。腸内に病気がある場合が多いのですが、腸の外にできた腫瘍が腸を圧迫して起こる場合もあります。
原因になっている病気を治さなければ、症候性便秘は治りません。便秘だけでなく嘔吐や腹痛などの症状を併発することもあるので、気になる場合は病院で診察してもらいましょう。
原因として考えられる病気
・腸ねん転
・腸閉塞
・大腸(結腸・直腸)がん
・大腸憩室
・腸管癒着症
・子宮の病気(がん・筋腫)
・卵巣の病気(がん・嚢腫)
●一過性単純性便秘
一過性単純性便秘は、ある一定の期間だけ便秘になるタイプです。排便環境の変化や一時的なストレスによって起こります。急に起こるのが特徴ですが、原因が取り除かれ、通常の排便環境に戻れば治ります。
原因
・旅行などの排便環境の変化
・食事内容や生活の変化
・一時的なストレス
なお、一時的なストレスなら一過性単純性便秘で済みますが、ストレスが蓄積されると過敏性腸症候群となり、便秘に加えて腹痛を伴うこともあります。ストレスはこまめに発散するよう心がけてください。