便秘改善の第一ステップとして、食べ物が便となって排出されるまでの流れを理解しましょう。
1. 食道を通って胃へ
食べ物が口から入ると食道を通り、胃に入ります。胃に食べ物が入ると胃壁が伸び、それがサインとなって大腸が動き始めます。
2. 小腸で栄養と水分を吸収
胃で消化された食べ物が小腸へ送られると、小腸でさらに消化され液状になります。そして7時間ほどかけて栄養分を吸収します。
3. 大腸で残った水分を吸収
大腸で水分やミネラルを吸収し、残りカスが便となり、直腸に便がたまると大脳にそのことが伝わります。そして、大脳から「出しなさい!」という命令が出されると、私たちはこれを便意として察知。その時トイレでいきむと便が排出されます。
口から肛門までの距離はおよそ9メートル。個人差はありますが、排出されるまで24〜74時間かかります。朝食後に便意が起こりやすいのは、寝ている間に空になった胃に食物が入ることで胃腸が活発に働き、脳も司令を出しやすくなるからです。
排便のシステムが順調に働いていれば、便は腸内をスムーズに移動し、苦労することなくスルッと排出されます。ところが、便がいつまでも腸内にいると、便に含まれる水分が吸収され、固くなって排出が困難になります。便が硬くなると強い力でいきんだり、強力な下剤に頼らなければ排出できなくなってしまいます。
●便が腸内に溜まってしまう主な原因
・朝食を抜くことで胃腸が動かず便意が起こらない。
・便意は感じているけれど時間がなくて我慢してしまう。
・ダイエットの食事制限によって便の量が減り、便がスムーズに押し出されない。
・食物繊維の不足により便のかさが増えず、スムーズに押し出されない。
・不摂生やストレスによって自律神経の働きが鈍り、排便リズムが崩れる。
●快便かどうかの見極めポイント
・便意を感じてから1〜2分ですんなりと便が出る。
・排便のとき、痛みなど不快症状がない。
・排便後に残便感がなくスッキリする。
排便間隔は1日1回が理想ですが、排便間隔に関係なく上記の条件をクリアしていれば快便です。
●理想の便
・大きさはバナナ1本〜1本半
・色は黄土色か茶色系
・スムーズに排便できてペーパーで拭いた時にほとんど汚れない。
下記のブリストル便形状スケールの4を目指しましょう!
①コロコロ便
かたくコロコロしている便
②硬い便
短くコロコロ便がくっついた便
③やや硬い便
表面がひびわれている便
④普通便
なめらかなバナナ状の便
⑤やや柔らかい便
やわらかく半固形状の便
⑥泥状便
どろどろしたかゆ状の便
⑦水様便
水のような便
また、便のにおいは食べたものでかなり変わります。肉類や香辛料などが多いと強くなり、野菜や食物繊維が多いほど弱くなります。便秘予防には野菜や食物繊維が欠かせないので、においが強いときはこれらの食品を多く摂るように心がけましょう。