便秘解消に効果的な栄養素はいろいろありますが、それらの栄養素をすべて含む食品はありません。いろいろな食材を献立に加えることが大切です。
●豆類
良質のたんぱく質が多く、カルシウムや鉄分などのミネラル、ビタミンも豊富。ビフィズス菌のえさとなるオリゴ糖も含まれ、便秘解消にはうってつけの食材です。
*大豆製品(納豆、豆腐、ゆば、おからなど)、そらまめ、グリンピース
●米
食物繊維が摂取でき、腸のぜん動運動をよくするビタミンB1もたっぷり。白米より玄米や胚芽米のほうが食物繊維の含有量は多いですが、苦手なら白米と玄米を混ぜたり、七分づきや五分づきにしてもよいでしょう。また大麦(もち麦など)は水溶性と不溶性の両方を豊富に含みます。ごはんやおかずに混ぜることで手軽に摂取できます。
●野菜、果物
ビタミン、ミネラルの宝庫で、食物繊維も多く含みます。体の調子を整え、胃腸の活動を活発にするために、さまざまな野菜、果物を積極的にとりましょう。
【野菜】
*さつまいも、キャベツ、長ねぎ、とうもろこし、にんにく、にら、かぼちゃ、ほうれん草、レタス、玉ねぎ、トマト、しょうが、モロヘイヤ、ごぼう、れんこん
【果物】
*なし、アボカド、りんご、バナナ、マンゴー、キウイ、いちご、グレープフルーツ
●海藻類
「食物繊維のかたまり」と言ってもいいほど、食物繊維が多く、カルシウムやミネラルも豊富です。
また海藻類を発酵・分解できる腸内細菌は日本人特有のものです。
*ひじき、昆布、わかめ、のり
●プラスワンで効率よく栄養をとる
・ヨーグルト(ビフィズス菌)+バナナ(オリゴ糖)
・ココア(食物繊維)+すりごま(ビタミンE)
・納豆(発酵食品)+おろしにんにく(アリシン)
・豆腐(カリウム)+オリーブオイル(便通をスムーズに)
●野菜は加熱してかさを減らす
生野菜一人前程度ではそれほど栄養素の摂取量は多くありません。たくさん食べられるように野菜は加熱して食べましょう。
【栄養素を逃さない加熱法】
・炒める…油で炒めることで、油膜を作って栄養素の流出を防ぐ。
・蒸す…野菜の水分と蒸気で加熱するため、栄養素の流出が少ない。
・煮る…流出した栄養素が水に溶け込むので、それをスープとして飲む。
●よく噛んで腸のぜん動運動を活発にする
よく噛むことで唾液の分泌が多くなり、それがサインとなって胃腸の働きが促進されます。
●空腹の時間を作る
常に胃の中に食べ物が入っていると、食事をしても胃の反応が鈍くなり、腸のぜん動運動も起こりにくくなります。最低でも3時間は何も食べない時間が必要です。
「忙しくて毎食、栄養のことを考えて食べるなんて無理!」という人もいるでしょう。そんな人は今の食生活に少しだけ手を加えるだけでも効果が現れます。
・毎朝ヨーグルトを食べるのを習慣にする
・主食を玄米に変える
・野菜や果物で作ったジュースで水分補給をする
・レトルトスープに冷凍野菜を足す
便秘改善に効果的な食材をなるべく毎食とるように意識し、こまめに水分補給を心がけましょう。